ワイヤーを使わない
マウスピース型矯正装置
(インビザライン、アソアライナー)
Mouthpiece
ワイヤーを使わないマウスピース型矯正装置
(インビザライン、アソアライナー)
Mouthpiece
歯の表面にブラケット矯正装置を接着し、ワイヤーを装着する固定式のブラケット矯正治療に対して、取り外しのできる透明なマウスピースをお口に嵌め変えながら、少しずつ歯を動かし歯並びを整える矯正装置です。
インビザラインの場合、歯の唇側(表側)にアタッチメント(乳白色の光で硬化する突起)を接着する場合もありますが、装置が目立ちにくいため、周囲の人には気付かれにくく、見た目による治療中の心理的な負担は軽減されると考えます。
なお、ブラケット矯正治療でも金属アレルギーの方へのご対応は可能ですが、マウスピース型矯正装置ならアレルギー症状が出る心配は全くありません。
ただしマウスピース型矯正装置は取り外しができる反面、破損や紛失したり、インビザラインの場合、治療途中で歯に被せ物をして合わなくなった場合、再製が必要になります。
ブラケット矯正装置より適応症例が狭いため、ワイヤーによる矯正装置と併用したり、治療開始年齢もほぼ永久歯列が完成してからになります。
当院では様々なマウスピース型矯正装置の中でも、インビザラインとアソアライナーをご提供しております。
海外製のマウスピース型矯正装置
(インビザライン)
Invisalign
1997年に米国アライン・テクノロジー社(本社カリフォルニア)で開発されたカスタムメイドによるマウスピース型矯正装置の製品名です。
本国では1999年より治療が開始され世界100以上の国と地域で1,400万人以上の方々に治療が行われています。(2022年9月時点「インビザライン・システム」および「インビザライン Goシステム」の合計)
わが国では2006年から販売され、メキシコ工場でロボットの手で製作されるマウスピースは、日本法人であるインビザライン・ジャパン株式会社を通して歯科医院より入手します。
1998年にFDA(米国食品医薬品局)より医療機器の認証を受けていていますが、完成物薬機法対象外の矯正歯科装置に該当するため、日本国内の医薬品医療機器等法(薬機法)の承認医薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
なお、国内にはマウスピース型矯正装置として医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けている製品は複数存在します。
症例にもよりますが、コンピューター上で設計された歯並びの完成形までのすべてのマウスピース、数としておおおよそ40〜60個が一度に送られてきます。
通常、2週間に1個、毎月2つずつ(2ステージ)マウスピースを交換しながら歯並びを整えますので、月1回の通院でマウスピースの装着状況、歯並びの進行状況などを確認しながら、2つずつ新しいマウスピースをお渡ししします。
マウスピース型矯正装置
(インビザライン)のメリット
食事や歯磨きの際は、外せますのでお口の中を清潔に保つことができる
取り外しのできる透明なマウスピースをご自身で嵌め変えながら歯並びを整えますので、食事や歯磨きの際は、外せますのでお口の中を清潔に保つことができます。
装置が目立ちにくいため、動的治療中は他人の目を気にしないで矯正治療を受けられる
付加装置として歯の唇側(表側)にアタッチメント(乳白色の光で硬化する突起)を接着する場合もありますが、装置が目立ちにくいため、周囲の人には気付かれにくく、装置の見た目による動的治療中の心理的なご負担は軽減されると考えます。
金属アレルギーの方でもアレルギー症状が出る心配がなく矯正治療を受けられる
ワイヤーによる矯正治療でも金属アレルギーの方へのご対応は可能ですが、マウスピース型矯正装置ならアレルギー症状が出る心配は全くありませんので、安心して治療を受けられます。
歯並びの完成形までのすべてのマウスピースが1度の歯型採りや歯並びのスキャニングで出来上がる
1度だけ歯型を採るか歯並びをスキャニングすれば、コンピューター上で設計された歯並びの完成形までのすべてのマウスピースが送られてきますので、術者や患者様の手間が掛かりません。
マウスピース型矯正装置
(インビザライン)のデメリット
多かれ少なかれ発音に影響する
発音は口唇や舌、下顎の動きによるものですから、固定式の矯正装置や保定装置同様、一時的な発音障害が生じます。
厚みが薄いマウスピースでも裏側に舌が触れるため、発音については多かれ少なかれ影響があると考えますが、歯の舌側(裏側)にブラケット矯正装置を装着する舌側(裏側)ブラケット矯正装置(ハーフリンガルブラケット矯正装置、フルリンガルブラケット矯正装置)同様、1〜2週間程度で軽減します。
毎日20時間以上の装着を目安として、歯並びが整うまで毎月2つのマウスピースを嵌め変える必要がある
取り外しができるものの、飲食や歯磨きの時や会議やプレゼンテーションなど重要な場面を除いて、毎日20時間以上の装着を目安として、1つのマウスピースを2週間ずつ歯並びが整うまで嵌め変えなくてはなりませんので精神的な負担になる場合があります。また、適切な装着を継続しないと、歯並び自体にゆがみが生じて、新たなマウスピースを嵌め変えても適合しなくなる場合があります。
虫歯の治療で歯の形が変わったり破損や紛失によりマウスピースを再製する必要がある
虫歯などで歯の形が変わってしまった場合、既存のマウスピースが合わなくなりますので、破損や紛失した場合も含めて、再度、歯型を採るか歯並びをスキャニングして、改めてマウスピースを作らなくてはなりません。
歯の動きに関してコンピューター上のシミュレーションと実際のお口の中とのズレが生じる場合がある
マウスピース型矯正装置(インビザライン)として正確で再現性の高いマウスピースとされていますが、コンピューター上でのシミュレーションと実際の歯並びでは、歯の動き方や速さに食い違いが生じたり、マウスピースを嵌め変える過程で適合しなくなる場合もあり、その場合、再度、歯型を採るか歯並びをスキャニングして、改めてマウスピースを作らなくてはなりません。
治療開始年齢はほぼ永久歯列完成期からという制約があり、ブラケット矯正装置よりも適応症例が少なく治療期間が長くなる場合がある
マウスピース型矯正装置(インビザライン)の場合、歯並びの完成形までのすべてのマウスピースが作られるという製作上の問題から、歯の生え代わりや顎の成長などお口の中の変化に合わせた作り直しができないため、顎の成長や歯の生え代わりなどが落ち着きお口の中が安定するほぼ永久歯列完成期からでないと治療が始められません。またマウスピース型矯正装置(インビザライン、アソアライナー)による歯の移動量はブラケット矯正装置よりも少ないため、治療期間は長くなる場合があります。そのため、マウスピース型矯正装置(インビザライン)で抜歯治療するほとんどの場合、ブラケット矯正治療を併用した方が治療期間の短縮に繋がります。
またマウスピース型矯正装置は舌側(裏側)のブラケット矯正装置同様、下の奥歯(大臼歯)を手前(前歯の方向)に動かしくいため、奥歯(大臼歯)を手前(前歯の方向)に動かす必要がある症例には向いていません。
日本製のマウスピース型矯正装置
(アソアライナー)
Aso aligner
2005年に矯正歯科専門技工所である株式会社アソインタナショナル(本社東京)で発売されたマウスピース型矯正装置「クリア・アライナー」を足掛かりとして2010年に自社ブランドとして立ち上げた製品名です。
厚みの異なる3種類のマウスピース(ソフト0.5mm、ミディアム0.6mm、ハード0.8mm)を1つの組み合わせとして毎月交換しながら歯並びを整えます。月1回の通院でマウスピースの装着状況、歯並びの進行状況などを確認しながら、必要に応じて新しい3種類のマウスピースを作成するため毎月歯型を採ります。
マウスピース型矯正装置
(アソアライナー)のメリット
食事や歯磨きの際は、外せますのでお口の中を清潔に保つことができる
インビザライン同様、取り外しのできる透明なマウスピースをご自身で嵌め変えながら歯並びを整えますので、食事や歯磨きの際は、外せますのでお口の中を清潔に保つことができる。
インビザライン歯の唇側(表側)にアタッチメント(乳白色の光で硬化する突起)は接着しないので、インビザラインよりも動的治療中は他人の目を気にしないで矯正治療を受けられる
マウスピース型矯正装置(インビザライン)と異なり、歯の唇側(表側)にアタッチメント(乳白色の光で硬化する突起)は接着しないので、装置が目立ちにくいため、周囲の人には気付かれにくく、装置の見た目による動的治療中の心理的なご負担は軽減されると考えます。
金属アレルギーの方でもアレルギー症状が出る心配がなく矯正治療を受けられる
ワイヤーによる矯正治療でも金属アレルギーの方へのご対応は可能ですが、マウスピース型矯正装置ならアレルギー症状が出る心配は全くありませんので、安心して治療を受けられます。
毎日17時間以上の装着を目安としますが、1組の厚みの異なる3種類のマウスピースをその都度、歯型を採って製作するので、より正確で再現性の高いマウスピースによる効率的な治療が期待できる
毎日17時間以上の装着を目安としなくてはなりませんが、その都度、歯型を採って新たな3種類のマウスピースが作られるため、より正確で再現性の高いマウスピースが製作できますので、マウスピース型矯正装置(インビザライン)の様に、適合しなくなることで無駄なマウスピースが生じることがなく、効率的な治療に繋がると考えます。
厚みの異なる3種類のマウスピースを1組として、その都度、歯型を採って製作するので、治療開始年齢には制約がない
その都度、歯型を採って新たな3種類のマウスピースが作られるため、顎の成長や歯の生え代わりやなどお口の中の大きな変化に柔軟に対応できるため、効率的な治療に繋がると考えます。
厚みの異なる3種類のマウスピースを1組として、その都度、歯型を採って製作するので、患者様の満足度などの都合で治療のゴールを決めることができる。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)の様に、歯並びが完成するまでの決められた数のマウスピースを嵌め変えるのではなく、その都度、歯型を採るため、患者様ご自身が歯並びと咬み合わせにご満足頂けた時点で動的治療のゴールとすることができます。
薄いマウスピースから厚いマウスピースへと段階的に3種類のマウスピースを嵌め変えるため、痛みや装着感の負担軽減が期待できる
マウスピース型矯正装置(インビザライン)の様に、同じ厚さ(0.5mm)のマウスピースを嵌め変えるのではなく、段階的に厚くなるマウスピース(ソフト0.5mm、ミディアム0.6mm、ハード0.8mm)を嵌め変える事で、矯正力によるお痛みやマウスピースの装着感などにつきましてのご負担は軽減されると考えます。
マウスピース型矯正装置
(アソアライナー)のデメリット
多かれ少なかれ発音に影響する
発音は口唇や舌、下顎の動きによるものですから、固定式の矯正装置や保定装置同様、一時的な発音障害が生じます。
厚みが薄いマウスピースでも裏側に舌が触れるため、発音については多かれ少なかれ影響があると考えますが、歯の舌側(裏側)にブラケット矯正装置を装着する舌側(裏側)ブラケット矯正装置(ハーフリンガルブラケット矯正装置、フルリンガルブラケット矯正装置)同様、1〜2週間程度で軽減します。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)と異なり、1組の厚みの異なる3種類のマウスピースを製作するにあたり、その都度、歯型を採らなくてはならないので、術者や患者様の手間が掛かる
1度だけ歯型を採るか歯並びをスキャンすれば、コンピューター上で設計された歯並びの完成形までのすべてのマウスピースが製作されるマウスピース型矯正装置(インビザライン)と異なり、その都度、歯型を採らなくてはならないので、術者の手間と患者様のご負担がが掛かかります。
薄いマウスピースから厚いものへと段階的に3種類のマウスピースを毎月1組として歯並びが整うまで嵌め変える過程で、順序を間違える可能性がある
マウスピース型矯正装置(インビザライン)はそれぞれのマウスピースに個体識別番号が記入されていますが、マウスピース型矯正装置(アソアライナー)には記入されておりませんので、厚みは認識できるものの、段階的に厚くなるマウスピース(ソフト0.5mm、ミディアム0.6mm、ハード0.8mm)を嵌め変える際、順序を間違える可能性があるので注意が必要です。
ワイヤーによる矯正装置よりも適応症例が少なく治療期間が長くなる場合がある
マウスピース型矯正装置(アソアライナー)は、ブラケット矯正装置による部分矯正(MTM)の適応症例と重なる症例が多いと考えます。
またマウスピース型矯正装置(インビザライン、アソアライナー)の歯の移動量はブラケット矯正装置よりも少ないため、治療期間は長くなる場合があります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン、アソアライナー)に向いている方
金属アレルギー、仕事柄や会社規約などでワイヤーによる矯正装置では治療ができない方
ブラケット矯正装置でも金属アレルギーの方へのご対応は可能ですが、マウスピース型矯正装置(インビザライン、アソアライナー)ならアレルギー症状が出る心配は全くありませんので、安心して治療を受けられます。
また、接客業や営業、タレント、アナウンサーの方など対面やマスコミ関係のお仕事をされている方や、航空会社など社内規定があり歯の唇側(表側)にブラケット矯正装置を装着することができない方などに向いています。舌側(裏側)ブラケット矯正装置(ハーフリンガルブラケット矯正装置、フルリンガルブラケット矯正装置)同様、厚みが薄いマウスピースでも裏側に舌が触れるため、一時的な発音障害が生じます。
治療期間は気にならないが、周囲の人に気付かれないで矯正治療したい方、矯正治療をしたいけど見た目を気にされて悩んでいる方
マウスピース型矯正装置(インビザライン)は付加装置として乳白色や透明なアタッチメントを歯の唇側(表側)に接着する場合もありますが、マウスピース型矯正装置(アソアライナー)同様、装置が目立ちにくいため周囲の人には気付かれにくく、装置の見た目による動的治療中の心理的なご負担は軽減されると考えますので、是非ご検討下さい。
ブラケット矯正装置による部分矯正(MTM)に該当する方
ご自身で部分矯正(MTM)に該当すると思われる方、またかかりつけ歯科医院などで部分矯正(MTM)に該当するとご指摘をされた方はマウスピース型矯正装置(インビザライン、アソアライナー)ができるかもしれませんので、まずはお気軽にご相談下さい。
軽度から中等度の叢生(デコボコ)や空隙歯列など歯を抜かずに治せる症例に該当する方
軽度から中等度の叢生(デコボコ)の歯並びに該当すると思われる方、またかかりつけ歯科医院などで該当するとご指摘をされた方はマウスピース型矯正装置(インビザライン、アソアライナー)による治療ができるかもしれませんので、まずはお気軽にご相談下さい。
抜歯の必要がない上下の咬み合わせの前後的なズレの程度が軽度の上顎前突症例に該当する方
軽度の上顎前突症例に該当する方はIPR(歯間削合)を行ったり、カリエールモーションやワイヤーによる矯正装置を併用することで抜歯の必要がなくなる場合があり、マウスピース型矯正装置(インビザライン)による治療ができるかもしれませんので、まずはお気軽にご相談下さい。
抜歯治療など歯の移動量が多い症例に該当するなどブラケット矯正装置と併用してもマウスピース型矯正装置で治療したい方
マウスピース型矯正装置(インビザライン、アソアライナー)による歯の移動量はブラケット矯正装置よりも少ないため、治療期間が長くなる場合があります。そのため、マウスピース型矯正装置(インビザライン)で治療するほとんどの抜歯症例ではワイヤーによる矯正治療を併用した方が動的治療の期間が短くかもしれませんので、まずはお気軽にご相談下さい。
●矯正治療に伴う一般的なリスク・副作用
- ・公的健康保険適用外の自費(自由)診療となります。
- ・矯正装置装着後は違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、数日から1、2週間で慣れるのが、一般的だと考えます。
- ・歯の動き方には、個人差があるため、予定していた動的治療期間が長くなることがあります。
- ・不規則な通院、矯正装置の脱離や破損の頻発、矯正装置や保定装置などの使用協力の欠如、動的治療中のエラスティック リング(顎間ゴム)の使用協力の欠如、虫歯や歯肉炎、歯周病の要因である不適切な歯磨きやかかりつけ歯科医での定期検査の欠落による動的治療の中断など、患者様の協力が得られない場合、動的治療期間の延期、歯並びや咬み合わせの後戻りの原因となります。
- ・固定式の矯正装置を装着している場合、歯磨きがしにくく、虫歯や歯肉炎、歯周病になるリスクが高くなるので、日常的に適切な歯磨きを行う他、かかりつけ歯科医での定期検査が必要となります。
歯が動くことで、治療前の検査では確認できなかった小さな虫歯が見つかったり、親知らずや根尖病巣(歯根の先端の病変)があると炎症を起こし、歯肉が腫脹したり、痛みが出たりすることがあります。 - ・歯が動くことで、歯茎がやせてブラックトライアングルなど審美的な弊害が生じることがあります。
- ・歯が動くことで、歯根の形が丸くなったり、短かくなったり歯根吸収を起こすことがあります。
- ・外傷などの原因で歯根周囲を取り巻く歯根膜が変性してしまいますと歯を植えている歯槽骨と癒着してしまうアンキロージスを起こしてしまい、歯が動かないことがあります。
- ・歯を動かすことで歯髄内の血管や神経の損傷により壊死することで歯が黒く変色してしまうことがあります。
- ・金属アレルギーやラテックスアレルギーのある患者様は、動的治療中や保定中にアレルギー症状が出ることがあります。
- ・矯正力による機械的外力や精神的なストレスなどにより、動的治療中に顎関節や咀嚼筋が痛い、口が開きにくい、顎関節部から音がするなど顎関節症状が生じたり、ごくまれに顎関節の関節頭が吸収したり、吸収が進行することがあります。
- ・歯の形態を整えたり、歯幅の左右対称性を図るため、また咬み合わせを緊密にするために、詰め物(修復物)をしたり、許容範囲内で歯のエナメル質を削ることがあります。
- ・動的治療の経過によっては、非抜歯による治療から抜歯による治療に変更したり、付加装置などを追加・変更するなど当初予定していた治療計画を変更することがあります。
- ・動的治療中に矯正装置の一部、器具を誤飲することがあります。
- ・固定式の矯正装置を撤去するにあたり、エナメル質が剝がれたり、表面に微小な亀裂が生じたり、詰め物(修復物)や被せ物(補綴物)の一部が破損することがあります。
- ・永久歯が先天性欠如している場合、歯数を合わせるため抜歯による治療を行ったり、将来的にインプラントを埋入したり、義歯やブリッジなどの被せ物(補綴物)を装着する前提で隙間を作り、審美的・機能的回復を図ることがあります。
また動的治療開始前に歯幅の調和がとれてない被せ物(補綴物)を仮歯に置き換えたり、ブリッジ(補綴物)のダミー部を撤去した状態で動的治療を行い、動的治療終了後に被せ物(補綴物)をやり直したり、義歯を入れたり、インプラントを埋入することがあります。 - ・動的治療が終了し矯正装置の撤去後、可撤式の保定装置については指示通りの使用協力がないと、歯並びや咬み合わせが後戻りすることがあります。
- ・顎の成長発育、加齢や歯周病などにより、歯並びや咬み合わせが変化することがあります。また加齢により、ほうれい線が生じると考えらえています。
- ・動的治療終了後に親知らずの影響で、歯並びや咬み合わせが変化することがあります。
- ・矯正治療を一度開始すると元の歯並びや咬み合わせには戻すことは難しくなります。
- ・矯正治療により上下の前歯を前方や後方へ傾斜することにより、上下口唇の突出感が生じたり、増幅したりする一方、陥凹感が生じたり、増幅するなど変化することがありますが、矯正歯科医師による側貌のコントロールはできません。
- ・治療期間は歯並びと咬み合わせに異なりますが、前歯だけ永久歯に生え揃う小学校低学年(1〜4年生頃)の混合歯列で第一期矯正治療(限局矯正)を行う必要がある場合、動的治療期間は約半年~1年半程度ですが、その後、全ての歯が永久歯に生え揃う永久歯列で第二期矯正治療として広範囲矯正治療(本格矯正)が必要になった場合、成人矯正同様、動的治療期間は約1年半〜2年半程度ですが、2年半以上要することもあり、通院期間は総じて10年以上に及ぶことになります。
●矯正歯科治療について
1.公的健康保険適用外の自費(自由)診療になります。
2.矯正治療の通院期間は歯並びを整える動的治療期間とその後、整えた歯並びが後戻りしない様に保定装置(リテーナー)を装着して頂きながら経過観察を行う保定期間の合計となります。
3.矯正治療の治療期間や通院回数は矯正治療の開始時期、不正咬合の程度、非抜歯・抜歯、使用装置などにより変わりますが、おおよその目安は以下の通りです。
- ▼混合歯列での第一期矯正治療(限局矯正)、永久歯列での部分矯正(MTM)を行った場合
- ・動的治療期間:約6か月~1年6か月、通院回数(毎月1回):約 6~18回
- ・保定期間:約1年、通院回数(数か月に1回):約4回(※1)
- ・合計通院回数:約1年6か月~2年6か月、合計通院回数:約10~22回
- ▼永久歯列での第二期矯正治療(本格矯正)を唇側(表側)ブラケット矯正装置(ラビアルブラケット矯正装置)にて行った場合(※2)
- ・歯を抜かない非抜歯治療での動的治療期間:約1年6か月~2年、通院回数(毎月1回):約18~24回
- ・歯を抜いた抜歯治療での動的治療期間:約2年~2年6か月、通院回数(毎月1回):約 24~30回
- ・保定期間(※3):3年、通院回数(数か月に1回):約12回
- ・合計通院回数:約4年6か月~5年6か月、合計通院回数:約30~42回
※1 混合歯列で第一期矯正治療(限局矯正)を行った場合、約1年間の保定期間終了後も永久歯列完成まで経過観察を継続しますので、通院回数は4回以上になります。
※2 舌側(裏側)ブラケット矯正装置(ハーフリンガルブラケット矯正装置、フルリンガルブラケット矯正装置)の場合、唇側(表側)ブラケット矯正装置(ラビアルブラケット矯正装置)よりも動的治療期間が長くなる場合があります。
※3 当院が規定する保定期間と通院回数で記載しております。
●マウスピース型矯正装置による治療に伴う一般的なリスク・副作用
- ・マウスピース型矯正装置(インビザライン、アソアライナーなど)は、取り外しができる反面、破損や紛失することがあります。
- ・マウスピース型矯正装置(インビザライン、アソアライナーなど)は、ブラケット矯正装置より適応症例が狭く、治療期間が長くなることがあるため、ワイヤーによる矯正装置と併用することがあります。
- ・厚みが薄いマウスピース型矯正装置(インビザライン、アソアライナーなど)でも直接、舌が触れるため、発音については多かれ少なかれ影響があると考えますが、固定式の矯正装置や保定装置同様、一般的に数日から1、2週間で軽減します。
- ・マウスピース型矯正装置(インビザライン)は毎日20時間以上、マウスピース型矯正装置(アソアライナー)では毎日17時間以上の装着を目安として、歯並びが整うまでマウスピースを嵌め変えますが、適切な装着を継続しないと歯並び自体にゆがみが生じることがあります。
- ・マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、歯の唇側(表側)にアタッチメント(乳白色の光で硬化する突起)を接着する場合があります。
- ・マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、コンピューター上で設計された歯並びの完成形までのすべてのマウスピースが製作されるため、破損や紛失した場合も含めて、動的治療中や保定中に虫歯などで詰め物(修復物)や被せ物(補綴物)により、歯の形が変わってしまった場合、既存のマウスピースが適合しなくなるため、改めて作り直すことになります。
- ・マウスピース型矯正装置(アソアライナー)は、歯の生え代わりや顎の成長などお口の中が変化しても、詰め物(修復物)や被せ物(補綴物)により歯の形が変わっても、その都度、歯型を採ってマウスピースを製作するので、マウスピース型矯正装置(インビザライン)と異なり、より正確で再現性の高いマウスピースによる効率的な治療が期待できる反面、術者の手間と患者様のご負担が掛かかります。
- ・マウスピース型矯正装置(インビザライン)では、歯並びの完成形までのすべてのマウスピースが作られるため、歯の生え代わりや顎の成長などお口の中の変化に合わせた作り直しができないため、治療開始年齢は顎の成長や歯の生え代わりなどが落ち着きお口の中が安定するほぼ永久歯列完成期からになります。
薬機法において承認されていない医療機器「マウスピース型矯正装置」について
当院でご提供しているマウスピース型矯正装置は、薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器となりますが、当院ではその有効性を認め、導入しています。
○未承認医療機器に該当
薬機法上の承認を得ていません(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2023年2月14日最終確認)。
○入手経路等
装置により異なりますが、インビザライン・ジャパン株式会社、株式会社アソインターナショナルなどから入手しています。
○国内の承認医療機器等の有無
国内では、マウスピース型矯正装置と同様の性能を有した承認医療機器は存在しない可能性があります(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2023年2月14日最終確認)
○諸外国における安全性等にかかわる情報
情報が不足しているため、ここではマウスピース型矯正装置の諸外国における安全性等にかかわる情報は明示できません。今後重大なリスク・副作用が報告される可能性があります。
なお、日本では完成物薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
※当該未承認医薬品・医療機器を用いた治療の広告に対する注意事項の情報の正確性について、本ウェブサイトの関係者は一切責任を負いません。