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喫煙者と交通事故の死亡リスクの関係について
2018.12.04
未指定本日は喫煙者と交通事故の死亡リスクの関係について、東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野 相田潤 准教授のお話をします。
相田先生たちが行ってきた20年間にわたる前向きコホート研究によると喫煙者は交通事故による死亡リスクが高いこと明らかになりました。
茨城県健診受診者生命予後追跡調査事業の1993~2013年のデータを用いて研究を行ったところ、1993年当時の同県内38市区町村における基本健康診査受診者(40~79歳)のうち追跡不能者などを除く、97078例(内訳は男性33018例、女性63366例)を対象に、予後に関して20年間追跡しデータの解析を行った。
すると1000人・年当たりの交通事故による死亡発生率は、男性では「非喫煙者」が0.24、「過去喫煙者」が0.30、「一日20本未満の現在喫煙者」が0.36、「一日20本以上の現在喫煙者」が0.32、女性の場合、「非喫煙者」が0.12、「過去喫煙者」が0.13、「一日20本未満の現在喫煙者」が0、「一日20本以上の現在喫煙者」が0という結果になったそうです。
年齢、飲酒状況を調整したモデルにおいて、男性では「非喫煙者」に対して「一日20本以上の現在喫煙者」は交通事故による死亡のハザード比が、1.54(95%CI 0.99~2.39)と高い傾向だったようです。(図1、2)
相田先生は「交通事故というこれまでと異なった観点から、たばこ対策を指示する結果となった。交通事故はドライバーや同乗者らに多大きなダメージと経済的損失を生じさせる。今後も禁煙を含めた多角的な交通安全対先が必要であると考えられる。」というコメントを残している。
本日は一見、全く関係ないと思いがちな喫煙と交通事故死について、相田先生による大変、興味深いお話でした。