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「アルツハイマー型認知症の超早期発見」の重要性(後編)について
2019.07.10
未指定本日も東京大学医学部附属病院神経内科 岩田淳先生による「アルツハイマー型認知症」の最新情報(後編)についてお話をします。
後編では、いわゆる老化によるもの忘れ、認知症の初期症状におけるもの忘れ、MCI、認知症という3つの病期における診断基準の他、認知症かどうか鑑別するための会話術、専門医との関わり合い方などについて岩田先生の考え方なども交えてお話をします。
認知症の診断基準に関してですが、生活に支障があるかどうかが重要で、症状の比較対象は同年代ではなく、患者さん自身であり、過去と比較してどのように変化したかがポイントとなるようです。
図2では、「老化によるするもの忘れ」と「アルツハイマー病の初期症状におけるもの忘れ」の違いについて示しています。
また図3ではMCI、表1では認知症の診断基準を示してあります。
問診として岩田先生の場合、昨日の夕食メニューではなく、冠婚葬祭について、よく聞くそうです。
記憶障害のない正常な状態であれば、冠婚葬祭であれば、印象に残る行事として「誰が」「どんな場所で」「どんなことが行われたのか」が明確に覚えているはずというのが理由だそうです。
日常診療において、来院した患者さんが認知症かどうか判別する方法として、世間話を交わすことがよいそうです。
話を聞いている中で、作り話をしたり、取り繕ったり「アルツハイマー病」らしさが見られるか?見られないか?がポイントとなるようです。
また、当たり障りのない返答、具体性のない返答は要注意なのだそうで、図4では、そのような会話の具体例を示しています。(図4)
偶然、答えが当たることもあるので、こちらが知っている話題を取り上げ、工夫しながら問診を行うのがコツだそうです。
また、医師の前では、優良患者を装うようですので、ご家族からの情報提供の他、予約や会計などのやり取りを通じ受付スタッフからの情報提供なども不可欠となるため、医師だけではなく、患者さんに関わる人達全員で見つける体制が重要になるのだそうです。
もし認知症を疑ったら、まずは専門医に紹介し、その診断結果と、自分の診察結果を見比べることを積み重ねることで、「アルツハイマー型認知症」の特徴が把握できるようになるので、まずは専門医を有効活用し、認知症の早期発見や超早期発見に繋げて行くことが岩田先生は大事だとしています。
本日は、現実問題として大変、関わり合いのあるアルツハイマー型認知症について、岩田先生の興味深いお話をさせて頂きました。