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優れたリーダーの7つの秘密(後編)
2020.06.03
未指定皆様こんにちは。
本日は、前回に引き続き、日本のビジネスパーソンに役立ちそうなコラムとして、サラ・ゴフ・デュポンによる「優れたリーダーの7つの秘密」を日本語にしてお話をします。
6.優れたリーダーは自分を偽らない
成長途上にあるリーダーに対し、いかなる時も「楽観的」で「自信」を持つようにと指導させられる場合があるようですが、これでは不十分だそうです。
優れたリーダーは、常に楽観的で自信に溢れている訳ではなく、必要な場合にそのように振舞っているだけだそうです。
人間であれば当然、自分の能力を疑ったり、失敗を恐れたり、自信が持てないこともある訳で、部下にそうした弱さを含めた等身大の自分を偽りなく、さらけ出すことが信頼獲得につながります。
元大統領であるジョージ・W・ブッシュは強気のリーダーを演じる一方で、弱点をさらけ出したことで、国民から多くの共感を得ていました。
波乱万丈な過去を持ち、辞書に載っていない不思議な英単語を使いながら、国民との距離を狭めたことで多くの支持を集める結果になったということです。
もちろん企業のリーダーが不思議な英単語を駆使したブッシュのように振舞ったからと言って部下からの共感が得られる訳ではないのですが、以下のような取り組みを推奨しています。
・あなたのデスクを部下たちのすぐ横に置き、毎日、積極的な対話を心掛けること。
・自分がミスした時は、それを包み隠さずに部下に伝え、全員とそのミスから学んだことを共有すること。
・自分の私生活が原因で自分のパフォーマンスと仕事に悪影響が生じた時は、可能な範囲で、その事実を部下全員にオープンにして、部下たちが同じことをした時は、どう振舞うべきかの前例を作ること。
・「何も心配するな。すべて順調である。私を信じなさい。」といった強気のリーダーシップを取り自分を追い込まないこと。
7.優れたリーダーは道のりを示す代わりに、ガードレールを用意する
会社組織のリーダーは目標に対する責任を果たすためにビジネスのプロセスを自ら設計しようとしがちで、全体の最適化のために組織横断的なプロセスの最適化と標準化を図ろうとする傾向にあります。
プロセスの最適化や標準化への取り組みは、それぞれの人が持つ能力を発揮する機会をなくし、創造的な思考を阻むため、短期的な効力は発揮される可能性はあるものの、長期的な効果には期待ができず、コストの高い取り組みで終わる可能性が高いとされています。
チームパフォーマンスの継続的な改善のために、会社の全チームに月次での仕事の「振り返り(レトロスペクティブ)」の手法として、決められたフォーマットを使用するように指示した場合を例に挙げると、組織内では、パフォーマンスが改善されるチームもあるかもしれませんが、振り返りの手法が全く機能しないチームも出るはずで、会社からの指示による決められたプロセスに則した振り返り作業は、チームのパフォーマンスに悪影響を及ぼす成果のないプロセスとなるようです。
何より、それぞれのチームに自分たちに最も合ったプロセスを考えさせて遂行させることが賢明で、組織全体のプロセスの最適化や標準化を図ることは成果がないということになるようです。
さらに、リーダーはプロセスという仕事の道筋を示すのではなく、言わばチームが道から外れ崖から転落しないようにガードレールを提供することに注力をすべきだとしています。
このリーダーシップの取り方は、前回お話した権限委譲のやり方と重複するようですが、以下の心掛けが大切なようです。
・マイクロマネージメントをやめること。
・チームの生産物ではなく成果に対する期待を明確に示すこと。
・例えば「素早さ(アジャイル)」で成果を上げたネットフリックスを真似して、我々の組織のすべてのチームのプロセスについても、「素早さ」の標準化を見習うというような発想は安易なためやめること。
非公式なリーダーであろうと、インフルエンサーであろうと、企業の幹部であろうと、組織のリーダーたるもの、部下たちがそれぞれの能力を発揮して、最高の仕事ができる環境を整備する責任があります。
そのために必要なことは、人と人が強い信頼関係で結ばれた組織づくり大切で、取り組むにあたり、自分の組織、組織のリーダーに対する部下たちと真正面から向き合う勇気を持つことが必要だとしています。
これにより初めて信頼に関わる組織の問題点が明らかになり、その解決に向けた一歩が見出せるようになるそうです。
エグゼクティブコーチであるクーパーは、自分の顧客企業に対して信頼に関わる以下のような質問をしているそうです。
・「あなたが、あなたの部下たちとって最良を実現するために行動しているということを、彼らは信じていると思いますか?」
・「あなたの言動は部下たちの対していつも一致していますか?」
・「あなたや他のリーダーは部下を失望させたことがありますか?」
上記の質問に対して、どう答えますでしょうか?その答えを出すことから信頼関係の構築に向けた一歩が始まるようです。
仕事の未来がどうなるかは誰にも予測できないことですから、自分たちのチームの士気を高め、仕事の効果や変化への適応力を向上させるための努力を継続することが重要な取り組みではありますが、長い時間が必要です。
しかし、長い目で見れば、それに費やした時間と労力をはるかに超えるメリットを得ることができるようです。
組織のリーダーと部下たちの関係において、全ては「信頼」に行き着くということになるようです。
前編、後編に分けてビジネスリーダーに向けた大変、有意義なお話をさせて頂きました。
「全ては信頼に行き着く」と書かれているように人と人のつながりにおいて、最も大事なことだと思いますので、ビジネスに限らず人間関係において大変ヒントとなるお話でした。