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ガミースマイルについて

2024.06.17

歯科
皆様こんにちは。
本日は「ガミースマイルについて」というテーマでお話しします。
皆様ご存じの通りガミースマイルとは笑った時に上顎の歯茎が大きく見え過ぎる状態を言います。
具体的にガミースマイルとは、笑った時、3mm以上歯茎が露出している状態とされ、コーカソイド(白色人種群)よりモンゴロイド系(黄色人種)、性別では女性に多いとされています。当院にもガミースマイルを気にされて相談にご来院される患者様が多くいらっしゃいますが、ガミースマイルの原因は1つだけではなく、いくつか重なっていて矯正治療だけでは治せない事もあります。
ア.主な原因
1.上唇の厚みや筋力の問題
・笑った時の上唇を持ち上げる筋肉の過度な発達
・唇の厚みが薄い
2.歯茎自体の問題
・薬物、炎症、全身疾患などによる歯肉増殖症
・生まれつき歯茎の占める部分が長くて歯の長さが短い
3.歯の生えている位置の問題
・上の前歯が下方から生えている
・上の前歯が内側を向いて生えている
4.上顎自体の長さや位置の問題
・骨格的に上顎が下方に長い
・骨格的に上顎が前方に出ている
イ.それぞれの治療法
1.歯が短かったり、被さっている歯茎の面積が広い場合、歯茎の占める割合が大きくなるため、歯と歯茎の境界線が下方に下がっている事が関係しているガミースマイル
治療法はセラミック製の歯を被せたり、歯冠長延長術を行います。
2.歯や歯茎の状態が良好にもかかわらず、笑った時に上唇が短かったり、上唇を持ち上げる筋肉が過度に発達し、上唇が上がり過ぎる事が関係しているガミースマイル
治療法は上唇粘膜切除術やボトックス注射を行います。
ボトックス注射とは、上唇を持ち上げる筋肉であります上唇鼻翼挙筋、上唇挙筋を麻痺させ、上唇を過剰に持ち上がる事を防ぐ方法で、無毒化したボツリヌス菌を注射するというものですが、半年位で消失しますので繰り返して行う必要があります。
3.歯や歯茎の長さは正常にもかかわらず上の前歯が下方や内側に向いて生えている事が関係しているガミースマイル
治療法は上の前歯を歯根方向へ動かすために、上顎の歯茎にインプラントアンカースクリューを併用してワイヤーによる矯正治療を行います。
4.上顎自体が上下に長かったり、前方に出ている事が関係しているガミースマイル
矯正治療を併用した外科手術により上顎の位置を上方に移動する方法で、Le Fort1型骨切り術により上顎骨部分を歯列ごと上方に移動したり、上顎前歯部歯槽骨切り術により後方へ移動させてからプレート(チタンプレート等)で固定を行います。全身麻酔による手術となりますが永久的で効果は持続性があります。
本日は、ガミースマイルについてお話ししました。